李正秀(イ ジョンス)は“ひととなり”もMVP! [J1]
JOMOカップ2009・Jリーグ選抜 VS Kリーグ選抜の試合(韓国・仁川W杯スタジアム)は、4-1でJリーグ選抜が勝利。
ここ2年、KリーグにやられていたJリーグ勢が、一矢報いることとなった。
まあ、オールスター戦という余興でもあり、個人的には結果なんてどうでもいんだけどね。
それにしても、Jリーグ勢の4人のゴールは、どれも華麗にしてインパクトがあり、素晴らしいスーパーゴールだったと言えよう。
2008年MVP&得点王のマルキーニョス(鹿島アントラーズ)!
日本代表の誇る真の“ファンタジスタ”であり、おそらく南アフリカでも大ブレイクするであろう、中村憲剛(川崎フロンターレ)!
2004年J2得点王&2007年J1得点王であり、31歳でありながら今期もすでに9得点で絶好調のジュニーニョ(川崎フロンターレ)!
そしてなんといっても、この華々しいJリーグ勢のイレブンにあって、この試合のMVPに見事選出されたこの男の存在なしには何も語れない。
そう、オールスターという余興でありながら、手加減することなく鉄壁のディフェンスでKリーグ選抜の攻撃をPKによる1失点にシャットアウトし、なおかつDFというポジションでありながら、まさにストライカーを彷彿とさせんばかりのペナルティエリア内での落ち着きぶりで、2008年KリーグMVPにも輝いたGK李雲在(イ ウンジェ)から、見事にゴールを叩き込んだ、京都サンガの誇る韓国代表DF、李正秀(イ ジョンス)だ!
長い形容になってしまったが、李正秀(イ ジョンス)のその活躍ぶりを言葉で表すにはむしろ短すぎるというもの。
マルキーニョスのゴールをアシストもした中村憲剛のプレーもMVPにふさわしい大活躍だったと思うが、韓国のホームであったことと、4-1でKリーグ選抜が大敗を喫してしまったことを考えれば、やはりここは李正秀(イ・ジョンス)がMVPに選出されてよかったと、個人的にも思う。
なによりそう思ってしまうのは、李正秀(イ ジョンス)からかもしだされる、その人柄だ!
立っている姿を見るだけでも好感が持てるんだよな、李正秀(イ ジョンス)は・・・。
MVP獲得後、チームメイトから祝福されている映像がなんとも言えず美しい。
やはり“韓流”なんだろうか、李正秀(イ ジョンス)も。
日本と韓国への思いを報道陣に聞かれ、こう答えている。
「それはお父さんとお母さん、どっちが好きか聞かれるのと同じ」
なんと深みのあるコメントなんだろう!
日本人ではなかなか出てこないぜ、こんな味のある言葉は・・・。
ドラマもそうだが、日本のドラマが「年頃の男女の恋愛」程度しかストーリーに盛り込まれていないのに対して、韓国のドラマは、そういう「恋愛」プラス「家族愛」のようなものが必ず同時に描かれているそうだ。
この辺はアメリカ映画なんかでも同じなんだろうが・・・。
そういう意味では、しっかり“韓流”なんだろう、李正秀(イ ジョンス)も!
今さらながら思うが、このような素晴らしいスーパースターがJリーグにいてくれることを感謝したくなる。
マンチェスターUで大活躍している朴智星(パク チソン)もそうだったが、京都サンガにくる韓国人選手は今後も侮れんかもしれんな・・・。
そんな日本にとっても韓国にとっても喜べる結果に終わったJOMOカップ2009だったが、個人的にはここを改善してほしいと思う点が3つほどあった。
まあ、これはあくまで僕の個人的な意見なので、聞き流してもらえばと思うが・・・。
まず1つ目の要望を。
韓国のホーム、日本のホームどちらかだけで行われているJOMOカップだが、できれば各国リーグで2チーム用意して、それぞれホームとアウェイで計2試合やったらどうか?
例えば、土曜は韓国のホームで、Kリーグ・ホームチーム VS Jリーグ・アウェイチームの試合。
次の日の日曜日は日本のホームで、Jリーグ・ホームチーム VS Kリーグ・アウェイチームの試合。
こうすると、オールスター戦を2試合楽しめるのだ。
なぜこう思うかと言うと、単純に、もっと他にも見たい選手、いや韓国のサポーターにも見てもらいたいスター選手がまだまだたくさんいるから・・・。
それはおそらくKリーグのサポーターも同じことを思っていると思うが・・・。
もともとJOMOカップは国内で東西にわけて対戦をしてたわけだから、最低でも「22人+リザーブ人数」のオールスター選手を見ることができた。
それが半分になってしまっているのが少し残念なんだよな。
いい選手がたくさんもれてしまっているのがもったいないとでも言うか・・・。
そして2つ目の要望を。
今回のようなガチンコ勝負も悪くはないが、やっぱりオールスターは「勝負そのもの」よりも「スター選手の個人技の競演」を僕は楽しみたいので、それに応えられる監督を選出してほしいし、そういう指導を日本サッカー協会にはしてほしかった!
オリベイラ監督は現在ぶっちぎりで首位の鹿島アントラーズを率いている名将であるし、ここまですでにリーグ2連覇を成し遂げているわけだから、監督としてのその手腕を疑う人は日本国内にはほぼいまい。
ただオールスター戦の醍醐味はやはり“お祭り”としての余興であることを前提にするなら、そういうエンターテイナーを監督に抜擢するのもアリなんじゃないかと思うのだ。
昔でいえば、浦和レッズのブッフバルト監督なんかがそうだろう。
今なら、例えば我が名古屋グランパスの“ピクシー”ことストイコビッチ監督なんかいいんじゃないの?
感情的でテキトーだし(笑)
指示を出してるときのパフォーマンスなんて、見てるだけで笑えるときもある。
そもそも立っているだけで華があるんだよな、ピクシーもブッフバルト監督も。
そりゃあ、ワールドカップで大活躍したほどのスター選手なんだから、華があって当然か・・・。
韓国の仁川W杯スタジアムに空席が目立っていただけに、そのあたりの一工夫でまた違った雰囲気になってた可能性はあるんじゃないだろうか?
オリベイラ監督はよく知らなくても、ピクシーなら知ってるだろ、韓国人も日本人も!
視聴率が低迷してる日本サッカーだけに、そのあたりの意識をもってもらうとサポーターとしては非常にうれしいのだが・・・。
また、メンバーの選出もおそらく「勝利」を必要以上に意識してのものが背景にあったに違いない。
ここ2年Kリーグに負けているし、鹿島アントラーズのメンバーをベースに多く選出したのも、それが大きな要因なんだと思う。
最後に3つ目要望を。
外国人枠の撤廃を望みたい!
別に大きなタイトルがかかっているわけでもないし、あくまでサポーターに対しての余興、あるいは新規サポーターの獲得という視点に立って考えるのなら、「外国人枠」には意味がないと思う。
日本人は日本代表をある意味見飽きてるんだから、それこそ“助っ人外国人代表”なるものを、個人的には見てみたい気さえするのだが・・・。
ヨーロッパのリーグなんてすでにクラブ単独でそういう現象が起きてるほどなんだから、オールスターぐらいそれはそれで1回やってみるのも面白いんじゃないの?
以上3つの僕の勝手な要望を満たし、仮に「勝利」にこだわらなかったら、どんなメンバー選出が他に考えられただろうか?
おそらく、100人ファンがいたら100通りのオールスターメンバーが出来上がるに違いないだろうが、ここは僕個人の勝手なオールスターメンバーを例であげてみたい。
選出時期の違いはあるが、ケガをしてないことと、あくまでも直前という前提で。
システムは3-4-3(MFダイヤモンド型)でいくことにしよう。
FW: L- レアンドロ(大阪)、C- ケネディ(名古屋)、R- 李根鎬(イ グノ)(磐田)
MF: L- 石川直宏(東京)、C- ジュニーニョ(川崎)、R- ペドロ・ジュニオール(新潟)
ボランチ(?): マルシオ・リシャルデス(新潟)(※フリーキッカー)
DF: 槙野(広島)、李正秀(イ ジョンス)(京都)、マト(大宮)
GK: 曽ケ端(鹿島)
このメンバーの選出方法は至って簡単だ。
単に得点ランキングで上位に入ってる順に、ポジションごとにあてはめていっただけ!
なので、システム的な部分や、僕の好みといったものは、あまり反映されてない。
また、ディフェンス力を全く無視し、あくまで攻撃力と華やかさを備えた選手を選出してみた。
ボランチに7得点獲っている攻撃的MFマルシオ・リシャルデスを入れたのも、「守備はしなくていいよ!」という表れだ。
ディフェンス力はともかく、ミドルシュートが撃てるので、ボランチの位置に置いてみたのだが・・・。
“お祭り”だからね。
そういう意味で、バランスをとったりバックパスをする選手が1人もいなくなったのがポイントだ。
これなら、まさしく純然たる“個人技の競演”になることだけは間違いないだろう!
FWのケネディ、李根鎬(イ グノ)は絶対的な得点数は少ないものの、今期途中参入してきた選手なので仕方がない。
それ以上に、驚異的な得点率とそのプレースタイルのインパクトがあまりにも強烈なので、メンバーに入れることにしたのだが・・・。
まあ、このメンバーがどうであろうと、これだけは言えよう。
気づいたら日本人が3人しかおらんぞ・・・!
さすがにこれがマズいなら、FWのケネディ、李根鎬(イ グノ)の代わりに、11得点のエジミウソンと、10得点の岡崎か佐藤寿人のどちらかを入れとくか?
あと、ボランチも、一応5得点とっている遠藤を入れるか・・・。
ただ、遠藤はバックパスが多く、守備的でバランスばかりとる選手だから、オールスターのようなお祭り舞台には、なるべく選びたくないんだよね。
いずれにしろ、単に得点力、華やかさ、攻撃的姿勢、パフォーマンス力といったものを重視するなら、オリベイラ監督が選んだメンバーとは全く異なるメンバーになるのは間違いないようだ。
しかも、よく見ると鹿島アントラーズの選手がGKの曽ケ端しか入ってない!
鹿島アントラーズは、数字には反映されにくい、玄人好みの選手がバランスよく11人いるということなんだろうか・・・?
まあ僕の要望はともかく、来年のオールスターに向けて更なる改善を今後もし続けてもらえたら、サポーターとしてはさらに楽しむことができそうだ。
日本のサッカーがさらに発展して、仮に日本人が1人もオールスターに選出されなくともサポーターが楽しめるほどのサッカー大国になってくれるよう、これからも応援していこう!
Jリーグ