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名古屋グランパスの“決定的ストライカー”小川佳純! [J1]

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名古屋グランパスの最近の試合には絶望を感じていた。

正直に言えば、あまりにもピクシーのメンバー選考や采配に納得がいかないもんだから、ブログを書くのが億劫になっていたのだ。

そう、ネガティブな記事で100%埋められてしまうのがイヤで・・・。


思えば前節の柏レイソル戦の2-3の敗戦。

これは必然と言える。

いや、グランパスが自滅したといってるんじゃない。

ネルシーニョ監督になってからの柏レイソルは、すでに降格争いをするようなレイソルでなくなっていることは誰の目にも明らかだったから・・・。

京都サンガにも引き分け、我が名古屋グランパスにも勝利し、そして今節はあのサンフレッチェ広島にも1-1の引き分けに持ち込んでいるネルシーニョ・レイソルの姿がフロックであるはずがない。

“下位の順位”ではあっても、すでに“下位の能力”ではないのだ、ネルシーニョ・レイソルは。

そんなネルシーニョ・レイソルの敗戦後、ピクシーが放った発言がこうだ。

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「なぜうちの選手たちは上位のチームにはよいパフォーマンスをするのに、下位のチームになるとあのような低いパフォーマンスになってしまうのか・・・。」


正直、この言葉には絶望を感じてしまったぜ、ピクシーよ。

まあ監督自身は忙しいだろうし、自分たちのチームの指導に一杯一杯で、相手チームの試合を毎回こと細かく見るなんてことはしないんだろうが、いくらなんでも研究しなさすぎなんじゃないの?

ちゃんと見てたら、今のネルシーニョ・レイソルを“下位のチーム”だなんて表現は恥ずかしくてできないはずだろう。

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結局、このときの敗戦はネルシーニョ・レイソルという劇的に変化した相手をリスペクトしなかったことに尽きる!


サポーターからすればネルシーニョ・レイソル相手なら、「引き分け」で十分だったのだ。

そういう心構えこそが、狙いどおりの「引き分け」や、あるいはあわよくば相手の自滅による「勝利」を生むんだろうし・・・。

残留争いをするネルシーニョ・レイソルの「勝点3を取りに来る心理」を最大限利用して、グランパスは「カウンター攻撃」に徹すればよかったのに・・・。

それをまだまだ内容は伴っていないのに、上から目線で「勝点3」を見込んだ戦い方をするもんだから、2-3の敗戦という「勝点0」という、ある意味で必然的な敗戦を喫するハメになってしまった。

つまり、ここには“物理面”を意識した戦い方はあっても、“心理面”を利用した戦い方がまるでない。

そしてその軽率な戦い方のせいか、最も警戒すべきこの男からのゴールが生まれてしまった。

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180センチの長身とは思えないほどの軽やかな動きを披露し、浦和レッズ戦でスピード感あふれるドリブルから2ゴールを叩き込んだ、若干19才のMF大津祐樹!


山田直輝、原口元気など、10代プレーヤーがトレンドになるほど活躍しているJリーグであるが、個人的には、ゴールを量産しているという点で、大津祐樹こそ最も怖い存在だと思う。

そんな脅威となる選手がネルシーニョ・レイソルにはいたんだから、別にやられても不思議ではなかったのだ。

グランパスだって内容は悪くとも“3連勝”してたんだから、それだけに、もしネルシーニョ・レイソルを脅威に感じて90分戦っていたら、1-1の引き分けくらいにはもっていけたはずなんじゃないかと今でも思う。


グランパスがなぜ昨シーズン3位になれたかといえば、よく「サイド攻撃が素晴らしかったから」という理由を挙げる専門家が多いが、僕はそれ以上に、「グランパスを相手がナメてかかってきたから」という心理面のほうが大きかったと捉えている。

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すなわち、“漁夫の利”による勝利・・・。


良くも悪くもグランパスの最大の短所にして長所は、昔から“冴えない”ということだ。

毎回10位付近で目立つこともなく、批判されることもなくシーズンを終える、その“存在感のなさ”・・・。

コレが相手チームを油断させる最大のポイントになっていたのは間違いなくあるだろう。

しかし、昨シーズンのグランパスは相手が抱くイメージよりはちょっとだけ強かったもんだから、カウンターからサイド攻撃がメガヒットして、3位に食い込むことができた・・・。

ACLの決勝トーナメント進出も、同様の要因はあったと思う。

アジアのチームは知らないからね、グランパスなんて。


そして、迎えたこの日の大宮アルディージャ戦。

柏レイソルにあれだけの完敗を喫し、この日どのような戦い方をしてくるのかが非常に興味があった。

すると1つの決定的変化が・・・。

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4-4-2ダブルボランチという、オフェンスを重視した“超攻撃的布陣”に戻っているじゃないか!


これまでの、3-5-2ダブルボランチ、いや5-3-2ダブルボランチという“超守備的布陣”からの一転した攻撃的意識の表れ・・・。

正直僕は思ってしまったよ。

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この大宮アルディージャ戦は、さらにナメてかかってるんだな・・・と。


すなわち、前節の敗戦を反省して、大宮アルディージャの「勝点3を獲りたい心理」を利用して勝利をあげようなどという戦略は、まるで感じられないシフトだ。

そして右サイドバックには田中隼麿という、決してディフェンス力があるとはいえない、昨シーズンとはうってかわった“ガラス”のディフェンスライン・・・。

その不安は当たってしまった。

当然のことながら、5-3-2ダブルボランチという守備的システム時にはなかった両サイドからの大宮のセンタリングを、いったい何本あげられてしまったことか・・・。

そのリスクに対してどれほど驚異的な攻撃を仕掛けられたかといえば、前半のシュート数はわずかに5本・・・。

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大宮アルディージャの決定力不足に助けられていたものの、あれが他の上位チームだったら間違いなくボコボコにされてたぜ、グランパス・・・。


柏レイソル戦に続いてGK広野のスーパーセーブがなかったらどうなっていたかとゾッとしてしまうよ。

無失点におさえることができたのは、あるいはレイソル戦で2失点を献上してしまうほど調子の悪いCBバヤリッツァがスタメンから外れていたこともよかったのかもしれない。

いずれにせよ“ラッキー”な部分が多分にあったのは否めないだろう。


しかし、攻撃面を言えばただ1つピクシーを評価できる点がある。

それはこれまで右サイドバックでピクシーのイジメ(?)にあっていた10番小川佳純をオフェンシブハーフに復活させたことだ。

そしてそれが如実に結果として表れるハメに。

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1点目はその小川佳純の精度の高いピンポイント・フリーキックから、マギヌンがダイビング“胸板”ゴール!


ガンバ大阪戦の大逆転ロスタイムゴール時に、ユニフォームを脱いで“ヘリコプター・ラン”をしてしまったためにレッドカードを受けてしまったマギヌンだったが、復帰後いきなりゴールだなんてある意味でマギヌンらしくないぜ(笑)

そして今度はそのマギヌンが持ち前のパサーぶりを発揮することに。

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マギヌンの状況判断優れたロングスルーパスに2列目から飛び出して走りこんだ小川佳純が、ゴールキーパーとの1対1の場面で落ち着いてダメ押しゴール!


さすがだ、小川佳純。

このような1対1の場面でも外すことなく確実に決めてきたシーンを、これまで何度目にしてきたことか。

90分通してはほとんどいいところのなかった小川佳純だったが、1得点1アシストと、終わってみれば決定的なこの活躍ぶり。

この試合も相変わらず守備的かつ消極的で、攻撃時はほとんど消えていたのにな、小川佳純・・・。

思うに、やはり小川佳純にはゴールが似合う。

いや、もっと言うなら、ペナルティエリア内だと動きが激変しているよ、小川は・・・。

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ブルザノビッチを起用したいがために、その犠牲として右サイドバックになってしまった感の強い“キッカー”小川佳純だったが、やはり小川を単なる“キッカー”にしておくのはもったいないぜ、ピクシーよ。


インテリジェンス溢れる選手だけにどこでもこなせてしまう小川だが、その真の脅威はやはり「ペナルティエリア内でこそ」と、僕は改めて確信をもってしまった。

いたな、ブラジル代表にも似たような決定力をもった選手が。

いや、小川のようになんでもできるタイプではないが、ペナルティエリア内だと動きが激変するFWが・・・。



コンフェデレーションズカップで5試合5ゴールの得点王に輝き、先日のワールドカップ予選アルゼンチン代表戦でも、90分中ほとんど消えているのにペナルティエリア内での決定的シーンではほとんどゴールしてしまった、スペインのセビージャで活躍するブラジル代表FWルイス・ファビアーノ!


まあそのプレースタイルは小川とルイス・ファビアーノではまるで違うものの、“ペナルティエリア内での決定力”だけは個人的に似てる気がしてしまう。

そう、やはり小川の真骨頂は“ストライカー”だと思うのだ。

そしてこの“ストライカー”というのは、世界中から日本代表が最も酷評されている部分でもある。

GK1対1シュートはもちろん、クロスからのダイレクトシュートもできて、ミドルシュートも撃てて、ヘデイングシュートもできて、ダイビングヘッドもできて、直接フリーキックも決めれる、ゴールを奪ううえでのオプションを数多く備える小川佳純。

そんな日本が待望する“ストライカー”能力を備えている小川佳純をこともあろうに“右サイドバック”で起用してきただなんて・・・。

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サポーターとして2度と見たくないぜ、右サイドバックの小川佳純なんて!


今週23日(水)にはACL準々決勝、対川崎フロンターレ第1戦がある。

そしてその後はJリーグ、ACL第2戦、Jリーグという中3日地獄の試合が続くのが分かっているだけに、おそらくピクシーはこの大宮アルデイージャ戦、主力を温存したんだろう。

でなければ、あれだけ重宝してきたモンテネグロ代表のブルザノビッチをスタメンから外すわけがないし、元日本代表のアレックスを外すわけがない。

その証拠に、後半残り10分過ぎに途中出場してきたこのブルザノビッチとアレックスの存在感の大きさときたらどうだ?

アレックスは左サイドバックではなく、柏レイソル戦の後半同様、「ボランチ」での出場となったが、残り3分という短い時間にもかかわらず、マギヌンばりの展開力で、センスあるパスを繰りだすこと繰り出すこと。

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まあアレックスの場合は移籍当初からそのインテリジェンス溢れる存在感は目立っていたので、今さらとりわけ驚くことはない。


むしろ驚くべきはブルザノビッチ。

柏レイソル戦で、ケネディ、玉田を追い越しての飛び出しからシュートを放ったシーンが象徴的だったが、この大宮戦でもそれ以上にハツラツとした動きを披露していたのが印象的だ。

相手DFが2人いても軽やかなステップから抜きにかかろうとするその意欲。

1度も抜けはしなくても再度その無謀なドリブルで抜きにかかろうとする、ここにきて突如目立ち始めた、日本人にはない“ふてぶてしさ”!

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冴えない消極的日本人プレーヤーみたいにおとなしかった来日当初とは動きが激変してきてるじゃないか、ブルザノビッチ!


日本語はもちろん、英語は全く話せないというブルザノビッチだけに、コミュニケーションに非常に苦労しているとのことだが、そのあたりがドンドンよくなってる証拠だろう。

これまでブルザノビッチには全く期待していなかったが、この動きなら次のACL川崎フロンターレ戦が楽しみになるというものだ。

だが、悩みは続く。

それは、ピクシーはもう4-4-2に戻すと宣言してるようだが、いずれにしろ実力があるのにポジションであぶれる選手が、FW、MFに出てくるということだ。

そして、僕が見たところ、これは3-4-3にしないと解消されない気がするが、そこはまあ戦術上、仕方がない。


FW候補:ケネディ、玉田

オフェンシブハーフ候補:ブルザノビッチ、小川佳純、マギヌン
(※ブルザノビッチはもともとFW、小川はFWのほうがいい気もするが・・・)


いったいどう起用したらいいのか・・・。

まずオーストラリア代表FWケネディは絶対に外せない。

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まるでダメだった3-5-2の時にも、ケネデイだけはただ1人孤軍奮闘していたほどの絶対的存在だ、ケネディは!


高さばかり取り上げられるケネディだが、個人的にはそういう物理面よりも、“勝負における駆け引きの巧さ”こそ評価したくなる。

そう、どこかトルシエジャパン、ジーコジャパン時代のFW鈴木に似ている気がしないでもない。

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いやらしいというか、ぬけめないというか・・・。


この日の大宮戦の1点目だって、ケネディが故意にファウルを誘ったものだ。

しかもケネデイの恐ろしいところは、当時の鈴木のようにただファウルを誘う汚いプレーヤーというだけでなく、撃つべきシーンをまずは自ら作ろうとしながら、やむをえない場合にはファウルをもらいにいくという、そのあたりの切り替えのバランスが非常にいい!

大宮戦でも入ってもおかしくなかったケネディの決定的シュートが3回ほどあった。

GKのファインプレーが2回と、わずかに外れたのが1回。

いやはや、最近はゴールがなくとも、おそろしいFWであることは間違いないぜ、ケネディ。


そうなると問題はミッドフィールダーなんだよな。

MFをダイヤモンドするという手もあるが、そうなるとディフェンスの弱いグランパスにとっては連敗街道時の二の舞になりかねないのと、セカンドトップ以外では小川佳純の“ストライカー”能力が活かしづらくなるマイナス材料がある。

なので、僕の考えはこうだ。

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ブルザノビッチ、小川をダブルオフェンシブ・ハーフで起用して、視野の広さや絶大の展開力をもった、まだまだ27才と若いマギヌンにはボランチとして成長してもらう!


そう、マギヌンには鹿島アントラーズの小笠原や、ガンバ大阪の遠藤のような中盤での舵取りになってもらうのだ。

かつての中田英寿や、海外ではバルセロナのスペイン代表MFシャビ・エルナンデスのような存在になってくれたら頼もしい。

マギヌンにはフィジカル的なディフェンス力そのものはないかもしれないが、時に効果的な横パスでタメを作ったりするのは一種の“ディフェンス”みたいなものだから、そういう意味でのディフェンス力はあるし・・・。

ピクシーもマギヌンのボランチはまだ試してないよね?

マギヌン自身も決してストライカータイプじゃないし、それはゴール数にも表れているわけだから、むしろ武器である“展開力”を駆使して、自身の新境地を開く意味でも面白いんじゃないの、“ボランチ”としてのマギヌン。


さあここからの地獄の4連戦はどうなっていくことだろうか?

勝敗はともかく、奇をてらった珍采配をすることなく、サポーターが見たいと思うようなメンバー選考、采配を、ピクシーには心がけてほしいものだ。

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まずはACLの川崎フロンターレ戦、小川を右サイドバックにすることなく、&ブルザノビッチとアレックスを必ず起用してくれよ、ピクシー!






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